自動車免許取得はいつからできる?高校生でも受けられる免許の種類と取得の流れ

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高校生になると行動範囲が広がり、自転車やバイクでは不便を感じる場面もありますよね。そんなとき、持っていると便利なのが自動車免許。普通自動車と準中型では、18歳の誕生日を過ぎれば仮免許を受け取れるようになります。ただし中型免許や大型免許の取得は、20歳以上であることが条件のひとつです。
今回は高校生でも取得可能な免許と各自動車免許の違いを、わかりやすくお伝えします。
高校生は自動車免許はいつから取得できる?年齢制限をチェックしよう
高校生が取得できる免許には、自動車免許と二輪免許の二種類があります。それぞれの免許は運転できる車両によって、さらに種類が分けられます。
まずは高校生が取得できる免許の種類と取得年齢・条件を確認していきましょう。
運転免許の取得には、年齢以外にも条件がある
運転免許は、車両の大きさや種類ごとに設定されています。
一般的な自家用車は「普通自動車」です。一方で、トラックやバスなどの車両は重量によって「大型」「中型」「準中型」「小型」に分けられます。
なお、以前は5トンまでの中型トラックは普通免許で運転できましたが、現在は変更され、3.5トンまでしか運転できなくなりました。5トンの車両の運転には、いまは準中型免許が必要です。このように運転免許の区分や種類は変更されることもあるので、注意しましょう。
また免許によっては、すでに指定の免許を一定期間保有していることが取得の条件となることがあります。特殊な車両の運転や、運転免許が必要な職業を目指している場合は、まずは必要な免許の種類を確認してくださいね。
一般的に、多くの高校生が取得を目指すのは普通自動車免許です。この記事では普通自動車免許を中心に、免許の種類や取得までのステップを見ていきましょう。
高校生が取得できる自動車免許は「普通」と「準中型」
自動車免許には、大きく「第一種」「第二種」があります。日常生活で車や二輪車を運転する人が取得するのが第一種、バスやタクシーなど営業用の車両を運転するために必要なのが第二種です。
第一種免許には、以下の9種類があります。
免許種別 | 年齢 | 免許資格 |
---|---|---|
大型 | 21歳以上 | ・中型、準中型、普通、大特免許のいずれかの免許を取得している ・免許保有期間が通算3年以上 |
中型 | 20歳以上 | ・準中型、普通、大特免許のいずれかの免許を取得している ・免許保有期間が通算2年以上 |
準中型 | 18歳以上 | なし |
普通 | ||
けん引 | 二種、大型、中型、準中型、普通、大特免許のいずれかの免許を取得している | |
大特 | なし | |
大型二輪 | ||
普通二輪 | ||
小特・原付 |
高校生が取得できる自動車免許は「準中型」と「普通」です。
準中型とは、平成29年3月12日から導入された区分です。車両重量は3.5トンから7.5トン、乗車定量が10人以下の車両を指します。将来的に仕事でトラックなどを運転する予定がある人は、こちらの取得がオススメです。
こんな人にオススメ!高校生が取得する免許の選び方
運転免許を取得するには、教習に通ったり、試験勉強をしたりする必要があります。学校に部活に忙しい高校生は、たくさんの免許を取得するのは難しいですよね。
取得する免許の種類に迷ったときは、将来的な免許の使い方を想像しながら検討することが大事です。
高校卒業後、すぐに就職を考えている人には普通自動車免許の取得がオススメ。特に物流や営業職を目指している場合は、MT免許あるいは準中型免許があると就職の幅が広がります。
すぐには車を使う予定はないけれど、通学や通塾に便利な移動手段が欲しい人には、16歳から取得できる原付免許がオススメです。費用も比較的安価で、短期間で取得できるのが魅力です。
大学進学を予定している人は、自動車免許があると新生活の自由度が上がります。入学前の春休みを利用して免許を取得するのも良いですね。
運転免許は、一度取得すれば生涯使える資格のひとつです。これからの生活を考えながら、免許取得の計画を立てましょう。
高校生が取得できる免許の種類|普通自動車免許と原付免許の違い
高校生が取得できる免許の種類について、もう少し詳しく見ていきましょう。一般的に、高校生が取得することが多い免許は「普通免許」「大型二輪免許」「普通二輪免許」「小特・原付免許」などです。大型以外の二輪車は、16歳で免許が取得できます。
また普通自動車免許には、AT(オートマチック・トランスミッション)限定とMT(マニュアル・トランスミッション)があります。
それぞれの免許の違いをまとめました。
免許取得に必要な教習時間
教習所では、運転免許を取得するためには「学科教習」と「技能教習」を受ける必要があります。それぞれ第一段階と第二段階があり、仮免許の取得を挟んでステップアップする仕組みです。
各免許の取得に必要な教習時間は、以下のとおりです。
取得する免許の種類 | 学科教習 | 技能教習 |
---|---|---|
普通免許 | 26 | 34 |
AT限定普通免許 | 26 | 31 |
普通二輪免許 | 26 | 19 |
小型限定普通二輪免許 | 26 | 12 |
大型二輪免許 | 26 | 36 |
参考:一般社団法人 全日本指定自動車教習所協会連合「運転免許取得の手順」
なお、すでに保有している免許がある場合には、教習時間が少なくなることもあります。
AT限定とMTの違い
AT車は、ギアの切り替えが自動で行われる車です。アクセルとブレーキの操作だけで運転できます。運転がしやすく、ストレスが少ないのが特徴です。現在では、日本国内で販売される乗用車の大部分がAT車となっています。
一方、MT車は、運転者が手動でギアを切り替える必要がある車です。クラッチペダルを使用してギアチェンジを行うため、より高度な運転技術が求められます。
エンジンブレーキを効果的に使えることや、運転の楽しさを直接感じられることから、スポーツカーや商用車を中心に根強いファンがいる車種です。
AT車は扱いやすさと快適性を重視する人に、MT車は運転操作の醍醐味を楽しみたい人に適した車と言えそうですね。
AT限定免許では、AT車のみの運転が可能です。一方MT車を運転するには、MT免許が必要になります。なお、MT免許を取得した場合は、AT車も運転可能です。
坂出自動車学校での教習時間は、それぞれ以下のとおりです。
AT限定
教習時間は、最短で技能教習31時限(1段階12時限・2段階19時限)、学科教習26時限(1段階10時限・2段階16時限)です。
なお、すでに自動二輪免許を取得している場合は、技能29時限・学科2時限になります。
取得免許 | 技能 | 学科 | ||
1段階 | 2段階 | 1段階 | 2段階 | |
免許なし・原付・小特 | 12時限 | 19時限 | 10時限 | 16時限 |
自動二輪 | 10時限 | 19時限 | 0時限 | 2時限 |
MT
教習時間は、最短で技能教習34時限(1段階15時限・2段階19時限)、学科教習26時限(1段階10時限・2段階16時限)です。
なお、すでに自動二輪免許を取得している場合は、技能31時限・学科2時限になります。
取得免許 | 技能 | 学科 | ||
1段階 | 2段階 | 1段階 | 2段階 | |
免許なし・原付・小特 | 15時限 | 19時限 | 10時限 | 16時限 |
自動二輪 | 13時限 | 19時限 | 0時限 | 2時限 |
仮免許取得から本免許取得までのステップ|高校生が知っておくべき重要ポイント
免許取得において、最初の壁となるのは仮免許の取得です。仮免許を取得できなければ路上教習が受けられず、学科教習も第二段階へ進めません。
次は実際に免許を取得するまでの流れと、仮免許・本免許試験の概要を見ていきましょう。
免許取得までの流れ
普通自動車と普通二輪の免許取得までの流れは、以下のとおりです。
普通自動車
- 適性検査
- 学科教習1
- 学科教習第一段階(2~10)および技能教習第一段階
- 仮運転免許試験(学科・技能)
- 学科教習第二段階(11~26)および技能教習第二段階
- 卒業検定(路上技能)
- 学科試験
- 運転免許取得
普通二輪(400cc以下)
- 適性検査
- 学科教習1
- 学科教習第一段階(2~10)および技能教習第一段階
- 学科教習第二段階(11~26)および技能教習第二段階
- 卒業検定
- 学科試験
- 運転免許取得
参考:一般社団法人 全日本指定自動車教習所協会連合「運転免許取得の手順」
免許取得までの標準の教習数は、二輪車の方が少なくなっています。大型自動車・中型自動車以外であれば年齢制限も普通自動車免許より低いので、「早く移動手段がほしい!」という人には、二輪車免許の取得もオススメです。
仮免許取得
学科、技能ともに第一段階が終わると、いよいよ仮免許試験です。試験は教習所か、免許試験場で受けられます。通常は通っている教習所で、そのまま受験するケースがほとんどでしょう。
仮免許試験の主な内容は、以下のとおりです。
修了検定
教習所内のコースを運転します。検定員が助手席に同乗し、踏切やS字、停車、縦列駐車、クランク、交差点、坂道発進などがチェックされます。ミスや危険な運転があると減点される仕組みです。
仮免学科試験
学科試験は、〇×の選択式です。50問が出題されます。制限時間は30分、出題範囲は学科教習の第一段階のみです。
合格ラインは100点中90点ですが、きちんと勉強していれば、それほど難しい試験ではありません。
仮免許試験に合格すると、教習が第二段階に進みます。
本免許試験
本免許試験は、住民票のある自治体の免許試験会場で受けます。事前に試験会場がどこにあるのか確認し、行きやすい会場を選びましょう。
試験会場によって細かな流れが違うことはありますが、大まかな手順は同じです。ここでは2024年11月現在の香川県の場合を例に、普通自動車免許の本免許試験の概要を見ていきましょう。
試験会場・日時
受験場所 | 香川県運転免許センター |
受験日 | 月曜日・火曜日・木曜日・金曜日及び第2、第4、第5水曜日 (祝休日、年末年始を除く。) |
受付時間 | 午前 8時30分~9時 |
なお、すでに二輪、大型特殊、第二種免許を持っている人は学科試験を受ける必要はありません。その場合は、以下の時間に受付となります。
受験日 | 月曜日・火曜日・木曜日・金曜日および第2、第4、第5水曜日 (祝休日、年末年始を除く) |
受付時間 | 午後1時00分~午後1時30分の間 |
手数料
試験手数料 | 1,750円 |
交付手数料 | 2,050円 |
必要な書類
- 免許証(お持ちの方)、仮免許証
- 本籍等の記載された住民票
- 健康保険証等の本人確認書類
- 卒業証明書又は検査合格証明書
- 申請用写真1枚
まとめ
高校生のうちに取得できる免許には、普通自動車免許のほか、準中型免許や二輪免許があります。
普通自動車免許と準中型免許は18歳から、二輪免許は16歳から取得可能です。普通自動車免許にはAT限定とMTがあり、運転する車によって、必要な免許が異なります。すでに運転する車が決まっている場合は、免許の種類に注意しましょう。
免許の取得には、学科教習・技能教習の2つの教習があります。いずれも第一段階が終了すると仮免許試験があり、これに合格すると、路上での技能教習が可能になります。
最終的な本免許試験は、教習所ではなく、免許試験会場で受験します。受験会場や必要書類、手数料などを確認しましょう。
自分の年齢や目的に合わせて免許の種類を選び、必要な時期に取得できるよう計画的に準備を進めてくださいね。